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あったよ!元データが!

おぬはて・後日談小話の元データがようやっと見つかりました。
お待たせしました。
折角なので多少加筆してアップしてますが、恥ずかしいのでそのうち消すかもしれませんというか今からもう消したいです!!!
今のうちにガッと読んで、ガッと笑って流して下さい。

尚、隠が果ての真相エンドまでクリアした後での閲覧を禿しく推奨いたします。
また、過去作のまめゲーのキャラが出ています。
そういったコラボが苦手な方はご遠慮下さい。
大丈夫だぜ!ドンと来いよ!!という方は、折り曲げからどうぞ。

※某キャラについての注釈を付け足しました。

 
※隠人さん視点にて、あるキャラには読み易いように台詞の下に通訳が入っています。


***


 ――全て喪い、全て果たし、全て尽きた。
その後に残るモノなど、最早在りはしない。
彼女や同胞達と同じ輪廻へも、入れはすまい。
理由は如何あれ、人ではなくなった魂の往き先など、限られているだろう。
 それでもいい。
もう、何の願いも無い。
何の望みも無い。
 それほどまでに、永かった。
とても、永かったのだ。

 ――気がつけば、泡沫のような、灯籠のような不安定な世界が、そこに在った。
淡く曖昧な光がたゆとう、霧のような靄に包まれたそこには、己以外何も無い。
何時の間に来たのやら解らないが、恐らくはこれが現世と常世の狭間なのだろう。

「オウ オマエガ オニッコカ?」
「おう お前が 鬼っ子か?」

 ぼんやりと佇んでいると、背後から人間の声とは思えない不思議な音がした。
何より不思議なのは、人間の声ではないのだが、それが声として言葉として認識出来る事だった。
おかしな話もあったものだ。

「オウ コイツハ オドロイタ! オマエ ヒトノハグレノ オニッコカ!」
「おう コイツは 驚いた! お前 ヒトのはぐれの 鬼っ子か!」

 振り返れば、それは何とも面妖な生きモノだった。
如何見ても目玉の浮いた肉の塊にしか見えないが、それが宙に浮かびながら悠長に言葉を発している。
己が思うのも何だが、世の中には色々在るものだと感慨さえ覚えた。

「・・・そなたは?」
「オウ シッケイシッケイ! オレハ コノカイワイイチノ イイオトコダ。
マァ コレトイッテ ナハナイノデナ スキニ ヨンデクレ」
「おう 失敬失敬! オレは この界隈一の イイ男だ。
まぁ これといって 名は無いのでな 好きに 呼んでくれ」

 外見とは裏腹に、その肉塊は実にのんべんだらりとした口振りでそんな事をのたまった。
見たところ、よからぬ気配は感じないが、数え切れないほどの無数の気配が感じられた。
その数は、兄どころではない、千や二千やそこらではないようだ。

「そなた、集合体か。
かなりの年月を経た、相当の数を擁しているようだが・・・」
「オウ ワカルカ サスガダナ。
ソウ オレハ オレタチヨ。
ハグレタオモイノ カタマリヨ」
「おう 解るか 流石だな。
そう オレは オレ達よ。
はぐれた想いの 塊よ」

 丁度、本体から四つほど伸びた肉の触手――恐らく、四肢なのだろう・・・それを振りながら、肉塊が相槌を返す。
集合体というのは、得てして力が強いものだが、この肉塊も例外ではないだろう。
そうなると、気懸かりなのは妙な気を起こす野心が在るか無いかだが、この様子では後者であろうか。

「ソノヨウニ ケイカイセンデモ イイゾ。
オレハ タダノ ヨステニク ダカラナ!」
「そのように 警戒せんでも いいぞ。
オレは ただの 世捨肉 だからな!」

 如何やら、後者で確定のようだ。
手なのか足なのか、触手をふわふわと漂わせながら殺気や覇気の欠片も無い。

「・・・肉、なのか?」
「ウム ジツハ クエル ニクカイ ナノダ」
「うむ 実は 喰える 肉塊 なのだ」

 そして、肉塊である自覚はあるらしい。
珍妙な生物ではあるが、なかなか愛嬌と知性はあるようだった。
 だが――。

「喰えるのか」

 それは、実に意外だった。

「ウム モトハ ニクジン ダカラナ」
「うむ 元は 肉人 だからな」
「肉人・・・なるほど」

 その説明で、多少合点がいった。
肉人といえば、その名の通り肉の妖であり、その肉は妙薬としても知られる。
しかし、その擁するモノはそんな枠では収まらないだろう。

「・・・だが、便宜上であろう?」
「ワカルカ。
マァ ソウダロウナ。
トハイエ ハジメハ ソウダッタノダ マジメナ ハナシデナ」
「解るか。
まぁ そうだろうな。
とはいえ 初めは そうだったのだ 真面目な 話でな」

 そう言うと、面妖な肉人はその触手を漂わせながら、暫し逡巡するような素振りを見せた。

「ナンデカナ オレモ ナガク イキテルカラナ。
イツノマニカ ハグレモノノ チュウカクニ ナッテオッタ。
ウム キヅイタラ ハグレモノノ イルトコロニ フラフラ シテオッタナ。
モウ リユウナド オボエテオランワ」
「何でかな オレも 永く 生きているからな。
何時の間にか はぐれモノの 中核に なっておった。
うむ 気づいたら はぐれモノの いるところに フラフラ しておったな。
もう 理由など 憶えておらんわ」
「そなたは、永く生きているのだろうな。
・・・己よりも永く」
「ウム」
「うむ」

 これだけの数を擁して、自我を保っているのだから、元となった人物はそれは大した器物(うつわもの)だったのだろう。
だが、それを問うのは止めた。

「・・・時に、つかぬ事を伺うが、此処は狭間の世界で合っているか?」
「ウム アッテイルゾ」
「うむ 合っているぞ」
「して、何故そなたは此処に?」
「オウ ソレダソレ。
オレハ エンマノオッサンカラ オマエニ シラセヲ タノマレタノダ。
オニッコガ マイッタラ アンナイヲ タノムト」
「おう、それだそれ。
オレは 閻魔のおっさんから お前に 報せを 頼まれたのだ。
鬼っ子が 参ったら 案内を 頼むと」

 やはり、大した肉塊らしい。
閻魔といえば、あの閻魔だろう。

「アノ オッサン チィット タボウデナ。
ダカラトイッテ ナマナカナヤツダト アレダトイウカラ オレガ キテヤッタノダ」
「あの おっさん ちぃっと 多忙でな。
だからといって 生半な奴だと アレだというから オレが 来てやったのだ」
「・・・それはわざわざ、ご足労感謝する。
して、閻魔の御仁からの報せとは?」
「ウム オマエハ オニッコ ダカラナ。
ホンライナラ ジゴクイキダガ オマエハ ケッコウ ガンバッタカラ オカミカラ オンシャガ デタラシイ。
ソレデ リンネマデ オマエノ シソンノ シュゴレイニツキ トクヲツンデハ ドウカトイウ オタッシヨ」
「うむ お前は 鬼っ子 だからな。
本来なら 地獄往きだが お前は 結構 頑張ったから 御上から 恩赦が 出たらしい。
それで 輪廻まで お前の 子孫の 守護霊に就き 徳を積んでは 如何かという お達しよ」
「! 己の子孫が生きているのか?」

 寝耳に水とは、この事だ。
あの日、あの時に故郷と共に、己の血は絶えたものと思っていた。
だというのに、死んでからこのような恩赦を受ける事になるとは――僥倖と言っていいのか、皮肉と言っていいのか、全く以って解らない。

「ウム オマエノ イトコノ シソンダガ ソックリラシイゾ。
ガンバッテ ヨカッタナ!」
「うむ お前の 従兄弟の 子孫だが そっくりらしいぞ。
頑張って 良かったな!」
「・・・そうか、子孫が・・・」

 思いの外、その声は優しく聞こえた。
意図して頑張ろうと思って頑張ったという訳ではない。
兄や里の事は、己が成すべき事であるから、それを成しただけだ。
 だが、こうして思いがけず吉報を聞いて、それだけでこの永い時が報われた気がした。
従兄弟の子孫――確かに、己に従兄弟がいた事を久し振りに思い出した。
ただ、名前も顔も、既に曖昧ではあったが。

「シュゴレイニ ツケバ カオモ ミレルダロウヨ!
ウケルノダロウ? ン?」

 ぺちぺちと、その触手のような手が肩を叩いた。
てっきり体温など無いものと思っていたが、仄かに体温があった。

「それは勿論、ありがたくお受けするが・・・今の守護の方は?」
「オウ ヤッコサンハ チョウド リンネニイク トコロラシイ。
ダカラ ナイスナ タイミングダッタ ワケダ」
「おう 奴さんは 丁度 輪廻に往く ところらしい。
だから ナイスな タイミングだった 訳だ」
「・・・ないすなたいみんぐ?」
「オウ スマンスマン。
チョウドイイアンバイ トイウコトヨ」
「おう すまんすまん。
丁度イイ按配 という事よ」
「そうか」

 聞き慣れない言葉を問い返せば、再度ぺちぺちと肩を叩かれる。
肉塊のようだがその触手はとても柔らかく、実に不思議な感触だった。

「デハ コイツヲ ヤロウ。
オマエヲ シソンノモトニ トドケル クモノイトダ」
「では こいつを やろう。
お前を 子孫の元に 届ける 蜘蛛の糸だ」
「・・・ありがたく頂戴する」

 そうして、何処から取り出したのか、細い糸を手渡された。
手に取ると、それは何処かに繋がっているらしく、糸の先が見えない。
なるほど、これを手繰っていけという事らしい。

「ウム シュゴレイモ タイヘンダロウガ ガンバレヨ!」
「うむ 守護霊も 大変だろうが 頑張れよ!」
「・・・感謝する」
「デハナ! オレノ オヤクメハ イジョウダカラナ。
オマエモ ハヤク アイタカロウ。
イッテイイゾ!」
「ではな! オレの お役目は 以上だからな。
お前も 早く 逢いたかろう。
行っていいぞ!」
「痛み入る。
それでは、失礼する」

 お言葉に甘えて、踵を返す。
ちらりと横目に後ろを見れば、触手のような四肢を振って見送ってくれているらしい。
軽く会釈を返してから、糸の先を目指した。

***


※此処から相馬さん視点です。


***


 ――あの一件の後、リコは俺の街にやってきた。
俺の実家に来るかと一度訊いたが、彼女はやんわりと首を横に振った。
そのため、多忙な祖父ちゃんに頼み込んで祖父ちゃんの家の客間に泊まらせてもらっていたが、それも一時で住み込みの仕事を探してきてすぐに引越してしまった。
 リコは、前は優しく控え目だったが、あの件を経て強さも備わったのだろう。
とはいえ、その大半は恐らく虚勢というか、彼女にとって意地のようなものもあったのかもしれない。
 罪悪感ゆえか、守られるだけの女の子にはなりたくないのだろう。
それは、少し寂しくはあったが、俺は何も言わずに彼女のやりたいようにさせる事にした。
今は時間が必要だろうと思ったからだ。
 とはいえ、俺も俺で彼女の負担を増やす訳には行かない。
今は祖父ちゃんの仕事の助手をやりながら、独立するための準備をしている。
大学を卒業したら、改めてリコに話して、二人で暮らすつもりだ。
 ・・・父さんや母さんは大歓迎で、何時でもリコを連れて来いと鼻息が荒いけど、あの二人は暑苦しくていけない。
祖父ちゃんにリコを逢わせた時は、言わずとも察してくれたものだが、両親はそうもいかないだろう。
 親戚の叔父さん夫婦もよく言っているが、祖父ちゃん子で良かったと思う。
両親の事は尊敬しているし好きだが、あの暑苦しさだけは慣れそうにない。
・・・リコもあのテンションにはついていけないだろう。

 そして、時は過ぎていき――今日はリコと所謂デートの日だった。
とはいっても、リコの生活に必要な用品を揃えるための荷物持ちのようなものだが、こんな日が来るとは思わなかったから、嬉しくないと言えば全くの嘘になる。
勿論、両親には大学の友人と煙に巻いた後で、俺は待ち合わせ時間より多少早めに目的地を目指していた。

「――、あ、あの!」

 そんな最中、俺は街行く人の流れの中で、思わず声を上げていた。

「・・・何か?」

 それは、声をかけずとも通行人が横目に見ていくのが解るほど、目を瞠るくらい秀麗な顔立ちの人だった。
男性のようだが、女性だと言われても通じるだろう。
一度見たら忘れないような美形とは、こういう人だと思った。
 初対面のはずだ。
そのはずなのに、何故か・・・何かが、胸に込み上がった。

「・・・す、すみません、何だか――ある人に、似ている、んです」

 こんな事を開口一番で言われたら、きっと不審者かどこぞの宗教団体かに間違われるだろう。
実際、俺は彼の人の素顔など見てはいないし、リコもそうだろう。
言った後で、これはまずいと思った。

「あ、すみません・・・変な勧誘とかでは、無くて・・・」
「そのような縁(えにし)もあるだろう」
「――」

 だが、その人は訝しがるでもなく、穏やかに諭すように口を開いた。

「あの、貴方は・・・」

 問えば、俺をゆっくりと一瞥した。
その静かな佇まいは、やはり気の所為ではなく、彼の人を思わせた。
それから、苦笑のようなゆるやかな淡い笑みを浮かべ、確かに言った。

「それで良い、幸せになれ」
「――え?」

 問いを返す頃には、その人は颯爽と踵を返し、人々の波へと消えていった。
幻のような、一瞬の出来事だった。
けれど、確かに――彼の人の残り香を感じた。

「・・・ありがとう・・・」

 込み上げる想いを整理し切れず、ただその一言を、今は見えないその背に返す。
そして、今在るこの奇跡を、ただ感謝した。


***
ゆるい注釈:肉人とは?
ぬっぺふほふとも呼ばれています。
肉の塊のような姿をした妖怪です。
人畜無害ですが逃げ足が超速いです。
謎が多いです。
でも、お肉は喰っても減らず、美味しく頂ける上、薬にもなるようです。

なまい注釈:イイオトコの正体は?
モノ電の設定でも書いたような気がしますが、イケメンの元ネタはぬっぺふほふさんです。
イケメンはいわばぬっぺ亜種で、はぐれた想いを吸収していった変異体と思って下さい。
尚、灯籠トンネルの特殊エンドで出てくるソックリさんはといえば、ぬっぺ亜種の皆さんです。
イケメンに負けず劣らずツッコミどころ満載なダンスマニアです。
なので、あくまで便宜上で肉人と言っていますが、本当は特異種なので本人もぶっちゃけ解りません。
普段は異界をうろついていますが、はぐれた想いがあるところに出没し、たまに人に悪戯したり嫌いな同族に八つ当たりをかましますが、基本的には人畜無害です。
でも、本気を出すと凄いです。

恥ずかしくて読み返したくない衝動と大分戦ったのは内緒。
※無断転載・流用は厳禁です。
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プロフィール

KUROZ

Author:KUROZ
黒いまめっぽいナマモノ。
最近、珈琲がうめぇ。
禿げ散らかすのが気になるお年頃。
まめっぷ。

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