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連載小話・八話

連載小話の前に、ヤフーから当選通知が来ました!
写真写りが悪くて申し訳ないですが、ニャフーのアレのジバニャンさんです。
デカい封筒に当選の紙とカード1枚(未包装)という漢らしい感じで来ました。
兄貴の息子にあげようと思います。
ジバニャンさん

そんなこんなで、小話へ。
ようやっと終盤かなと思いますが、未だ地味に続きます。
まったりお付き合い下されば是幸いです。
興味のある方のみ、折り曲げからどうぞ。

 

※無断流用・転載厳禁です。

八話・突入・二


※シノメ視点です。

***

「……くん、……ノメ、くん……シノメくん!」
 ゆらゆらと揺れる感覚とともに、誰かが呼ぶ声がする。
聞き覚えのある――それもそのはず、親友の声だ。
そう気づいた瞬間、意識がはっきりとしてきた。
「……せーたろー……?」
 ゆっくりと重い目蓋を開ければ、思った通りにせーたろーが眉を寄せて覗き込んでいた。
「良かった、なかなか起きないから心配したよ」
「……ごめん、心配かけちゃったっぽいね」
 細い息を吐きながら言うせーたろーに謝りつつ、オレは寝転んだままで視線を巡らせた。
此処は、何処かの家の中――いや、『小栗』と名乗っていたアイツの仮の家の中か。
 それにしても、暗い。
日が暮れたという暗さではなく、全体的に色が沈んでいるというか、そんな暗さ。
とにかく、ヘンな感じだった。
「大丈夫? 起きれる?」
「うん、何とか……」
 せーたろーに背中を支えられながら、オレは重たい身体を起こした。
 未だにぐわんぐわんと揺れる頭の、その原因は解っている。
此処に放り込まれる時に、ぐるぐるぐねぐねぐおんぐおんと空間ごとこね回されたからだ。
 言ってみるなら、遊園地のティーカップに乗った後、すぐジェットコースターに乗ったような、そんな感じ。
……いや、実際にやった事は無いけど。
「あー……頭くらくらする」
「ひどい目にあったよね。
ぼくも立ち直るまで暫くかかったし、もうごめんだよ……」
 頭を抱えるオレの横で、せーたろーも苦い顔でため息を吐いた。
もう二度と味わいたくないのは、オレも同じだった。
「だね。
それで、此処の事だけど……」
「異空間みたいなところ、だろうね。
少なくとも、アイツの家ではあるけど、前と同じとは思えないし……」
 オレの言葉に答えるせーたろーは、流石というか落ち着いていた。
「……そっか……」
 そのお陰か、豆腐メンタルなオレでも取り乱さずにすんなりとそれを理解出来た。
とはいえ、あんな事があった以上、現実逃避をしていられないとも言うけど。
「ホント、エラい目に遭ったよね。
……それで、アイツは?」
 アイツ――その時まで、『小栗』と読んでいた狐顔を思い出す。
人懐こい笑顔を浮かべたままで、オレ達を騙して誘い込んだとぶっちゃけた時、タチの悪い冗談で済んで欲しかった。
 でも、現実は何ともキビしい。
冗談どころでなく本当の話で、クラスメイトだと思っていたのは、人間でさえないという。
姿がそのままだったから、未だピンと来ないけど……アイツが人間だったら、こうなってないのは確かだ。
 とにかく、色んな事が一気にあり過ぎて、実のところは泣きそうだった。
「……ぼくが目覚めた時から見てないね。
でも、何処かからは見てるはずだよ」
「……うん」
 せーたろーがいてくれるお陰で本気で泣きはしなかったけど、やっぱり心境は複雑だ。
アイツにしてみれば、元々騙すつもりで接触したんだろうけど――オレとしては、何処かで信じたい気持ちもあった。
姿が変わってない所為もあるかもしれない。
 でも、人間ではないという証拠は此処にあるし、アイツの雰囲気もおかしかった。
だから、これはタダの願望だ。
 我ながら、甘いと思う。
だけど、ついさっきまで世間話をして、同じように生活していたのを思うと、割り切れない。
少なくとも、オレはそうだ。
「ごめんね、ぼくがもっと早く気づいていれば……」
 そんなオレの心境を察してか、うな垂れるせーたろーに思わず焦る。
「え、ちょ、そんな事言わないでよ!
元はといえば、オレが応じちゃった所為なんだから!」
 思い返せば、そうなのだ。
初めからせーたろーは、乗り気じゃなかった。
巻き込んだのはむしろ、オレの方だ。
 それは、何時かはこうなっていたかもしれない。
だけど、既にもう起きてしまった事だし、今においての切っ掛けを作ったのは、オレだ。
「謝るべきなのは、オレだよ。
こっちこそ、ごめん」
 だから、改めて頭を下げた。
「シノメくんこそ、謝らないでよ」
 その頭上から、困ったような声がする。
「じゃあ、言いっこ無しで良いよね?」
「……そうだね」
 そうして顔を上げて言えば、せーたろーが眉を八の字にしたままで苦笑した。
オレも多分、似たような表情で笑っているんだろう。
 それが、少しおかしくて……やっぱりちょっと泣きたくなった。
ああ、夢なら良かったのに。
「とりあえず、何とかして此処から脱出しないとね」
 それから、気を取り直したようにせーたろーが切り出した。
 こういう切り替えの良さは、やっぱり例の件があったからなんだろうなと思う。
そう思うと複雑だけど、今はそれが心強い。
「そうだね」
 オレもまた、気を取り直して頷いた。
このまま、こんなところで行方不明になりたくない。
未だ、やりたい事はたくさん残っている。
 何より、アイツに言いたい事もある。
此処で腐っていられない。
「シノメくん、歩けそう?」
 せーたろーに促されてゆっくりと立ち上がれば、少しふらついたものの、このくらいなら大丈夫だろう。
「うん、行けそう」
 せーたろーに頷き返しながら、改めて周囲を見回した。
相変わらず、暗いというか沈んだ空間が広がっている。
一度は見知っている光景だけに、何とも気味が悪かった。
「此処は、廊下みたいだね」
 せーたろーに言われて目を凝らして、記憶と照らし合わせてみる。
辺りの板張りの床と壁を見るに、確かに廊下みたいだ。
「うん。
でも、前より長くなってるような……?
居間も見えないし……」
 見回しても、あるのは長く伸びた廊下だけ。
最初にこの家に入った時には、こんなに廊下は長くは無かったし、居間なんかもあった。
でも、それが無い。
「うん、色々変わってるみたい。
玄関もこの先には無いと思うよ」
「……そっか」
 そうして付け足された一言に、オレは苦笑した。
とはいえ、すんなりと出してくれるような相手だったら、そもそもこんな事にはなっていないかとも思う。
「……そういえば、此処に放り込まれる前に、電話来てたよね?」
 さて如何しようかと周囲を見ていると、せーたろーが思い出したように口を開いた。
「あ、確かに! ……でも、その携帯が無いや」
 言われてポケットを探るも、中には何も入っていない。
そういえば、電話に出ようとしたらアイツに弾き飛ばされたような記憶が薄っすらある。
「ぼくのも無かったから、何処かに隠されたのかも……」
 せーたろーもまた、肩を竦めた。
そんな切ない状況を前に、二人同時にため息が出た。
幸せが逃げちゃうけど、こればかりは仕方ない。
「……こんな状況じゃ、繋がらないと思うんだけどなぁ」
 ぼやきつつ、ぶっちゃけて性格が悪いと思わざるを得ない。
いや、こうなった時点で良いとは言えなかったけど、改めてというアレで。
それはまぁ、オレ達がこうなっていると知られては困るだろうから、解らないでもないけど。
「人間に化けてたくらいだし、携帯の便利性を知ってるからじゃない?
何だかんだで、あれば時計見たりも出来るし、メモとか色々使えるしね」
「あー……なるほど。
言われてみれば、腕時計なんかしてないから、何時かも解んないや」
 オレは、しみじみと納得した。
流石、せーたろーは賢い。
「……まぁ、とりあえず、悪足掻きしてみますか」
 言いながらも、実のところはちょっと希望がわいていた。
電話に出る前にアイツが本性を暴露したりと一悶着あった所為で、着信が誰かまでは見ていない。
でも、オレにかけてくる相手は限られているから、大体の予想はつく。
 そうして、電話に出た出ないはさて置き、あれで異常に気づいてくれればお慰み。
あの人達の事だから、案外気づいてくれるかもしれない。
 とはいえ、今はアイツがいるかもしれないから、口には出さないでおいた。
下手に奥の手を知られたら、困るのはオレ達だもの。
「そうだね……。
とりあえず、希望は持っておこうか」
 せーたろーもそれを察したらしく、オレに視線を寄越しながら頷いた。
勘の良い親友ってステキ。
「えっと……あのさ、出口と一緒に携帯も探して良い?
オレ、ぶっちゃけ無くすと新規で買う余裕とか無いし……」
 そんな事を踏まえながら、オレは動く前にせーたろーにそっと提案した。
 正直、バイトで何とかやりくりしている日々の中で新規の携帯を買う余裕なんて無い。
紛失時の補償なんかも入ってない。
「……切実だね」
「……ええ、とても切実デスヨ……」
 せーたろーの呟きに、オレは重く頷いた。
 ぶっちゃけると、懐事情的にはクリティカルヒットもいいところだ。
それに、ぼっち生活での楽しみも減ってしまう。
「ちょっと心が折れそう……」
 そこまで思い至ると、せーたろーには申し訳ないけど、アイディンティティまでも萎(しお)れてきた。
ついでに、アイツにとっては、美味しいだろう事もスゴく悔しい。
 ……とはいえ、携帯で心が折れかけるとは思ってなかっただろうけど。
「え、今から折れないでよ!」
「うう、頑張るけどね……」
 せーたろーには大変申し訳ないものの、オレはかよわいげっ歯類系男子でしかない。
神代先輩のような筋肉も無ければ、宮川先輩のような野生のタフさも持ってない。
 嗚呼、せめてどちらか――もしくは、ステキな頭脳でもあれば良かったのに。
そう思うと、ちょっとどころでなく咽び泣きそうになった。
「もう、今から捨てられたげっ歯類みたいな顔しないでよ。
未だ携帯が無くなったって、決まってないんだから。
それに、携帯が無くなると困るのはぼくもそうだし、頑張って探そうよ」
 床にのの字を描きそうになっていたオレを、せーたろーがフォローしてくれる。
とりあえず、捨てられたげっ歯類については、空気を読んでツッコミは控えた。
「う、うん、そうだね。
ありがとぉ……!」
 どんな形であれ、親友の優しさが心に沁みて、今度は感動とほのかな切なさで目の奥がアツい。
やっぱり、親友ってステキだなとつくづく思った。
「よし、オレ頑張るよ!」
 それを受けて、オレは顔を上げて、足に力を入れた。
脱出と携帯探索のために、やる気が漲ってきた。
「その意気だよ」
 せーたろーもまた、笑顔を見せた。
何処か苦笑混じりではあったけれど、それはさて置く。
 そんなこんなで、オレのもやしのような足もすっかり回復したようだ。
もうふらつきもしない。
「ん、もう大丈夫そう。
じゃあ、行こっか」
「うん、行こう」
 そして、オレ達は改めて足を踏み出した。
給料三ヶ月分の携帯と、出口を求めて――。

***

何だかんだで、今のところ元気です。
因みに、シノメの背景については、新作で語るので此処では割愛しています。
しかし、お約束的なホラゲ展開ではありますが、恐怖感とかなにそれおいしいの?ですね。

余談として、高校生組は何だかんだでガラゲー使ってる感じですね。
シノメはさて置き、愁夜は壊れても持ってるでしょう。
大学生組や大人組はスマホですかね。
でも、某親子や某魔術師辺りは、魔改造してそうな気がします。
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プロフィール

KUROZ

Author:KUROZ
黒いまめっぽいナマモノ。
最近、珈琲がうめぇ。
禿げ散らかすのが気になるお年頃。
まめっぷ。

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